不動産エージェントという働き方に興味を持っているものの、「この働き方は違法？」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。会社に雇用されずに個人で活動するというスタイルは実態がわかりにくく、違法行為と混同されるケースもあります。

そこでこの記事では、名義貸しやブローカー、地面師といった違法行為と不動産エージェントの違いについてまとめました。不動産エージェントの実態や適切な働き方についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

不動産エージェントとは？新しい不動産営業の形態

不動産エージェントとは、従来の不動産会社の営業職とは異なり、より自由度の高い形で顧客の不動産取引を支援するプロフェッショナルです。売主や買主の利益を第一に考え、物件の調査や提案、価格交渉、契約手続きに至るまでのサポートを担います。

以下では、不動産エージェントの実態について詳しく見ていきましょう。

不動産エージェントの定義と役割

不動産エージェントは、不動産売買や賃貸の取引全般をサポートする専門職です。依頼主からの要望に応じて物件を選定し、価格交渉や契約内容の確認、引き渡しに至るまでの一連の業務に携わります。

法的な手続きや契約書類の確認には専門知識が求められ、宅建業者の監督下での正確な対応が重要です。また、顧客と直接やりとりする機会も多いため、信頼関係の構築やヒアリング力などのスキルも必要とされます。

このように、不動産エージェントは不動産取引をスムーズに進めるための橋渡し役として重要な役割を担っているのです。

不動産エージェントが誕生した背景と現状

不動産エージェントという働き方は、アメリカで広く定着している「バイヤーズエージェント」や「セラーズエージェント」の仕組みをベースに発展してきました。売主や買主の代理人としてサポートを行うスタイルが評価され、透明性の高い取引が可能になることから、信頼性の高い制度として根付いています。

日本でもこうしたエージェント制度が徐々に取り入れられ、特にコロナ禍以降は注目が集まるようになりました。リモート対応や柔軟な働き方へのニーズが高まったことで、会社に縛られずに活動できる不動産エージェントという選択肢が広がっているのです。

最近では、副業や未経験からでもチャレンジできる仕組みを備えたサービスも登場しており、実力や工夫次第で高収入を目指せる新しいキャリアとして注目されています。

不動産エージェントとして働くメリット

不動産エージェントとして働く主なメリットは次のとおりです。以下で詳しく見ていきましょう。

自由度の高さ

不動産エージェントは会社に雇用される形ではなく、業務委託契約を結んだ個人事業主として働くスタイルが一般的です。そのため、勤務時間や働く場所に制限がなく、自分のライフスタイルに合わせた柔軟なスケジュールが組めます。

育児や介護、他の仕事との両立を目指す人にとっても魅力的な働き方といえるでしょう。リモート対応が可能な昨今では物件案内や契約業務もオンラインで完結でき、地理的な制約も少なくなっています。

高収入が期待できる

エージェントの報酬は主に成果報酬型です。不動産取引は1件あたりの金額が大きいため、1件の成約で数十万円～100万円以上の報酬が発生することもあります。報酬率が高く設定されているエージェント制度も増えており、実力や戦略次第では会社員よりも高い年収を目指すことが可能です。

特に独自の営業手法や集客ルートを確立できれば、収入を自分でコントロールできるという点も大きなメリットです。

自身のブランドを築ける

会社名義に依存せず、自分の名前で活動を展開できる点も不動産エージェントのメリットです。SNSやWebサイトを活用して個人のブランディングを行い、信頼を積み重ねることで指名や紹介案件を獲得できるようになります。

長期的には、自分のファンとなる顧客層が形成され、安定的な集客につながる可能性もあります。また、紹介やリピートでの契約は営業コストも低いため、効率的に成果を上げやすい点も魅力です。

ノルマ・出社義務がない

多くの不動産会社では営業ノルマや出社義務があるのに対し、エージェントにはそのような制約がありません。自分のペースで無理なく働けるため、精神的なプレッシャーが少なく、モチベーションを維持しやすいのも特徴です。

また、全国どこにいてもオンラインで業務が進められるため、地方在住者や転居予定のある方でもキャリアを継続しやすいメリットがあります。

不動産エージェントとして働くデメリット

不動産エージェントはメリットの多い働き方ですが、デメリットもいくつか存在します。下記で詳しく見ていきましょう。

収入が安定しないリスクがある

エージェントは完全歩合制の契約が多く、案件の獲得や成約に結びつかなければ報酬を得ることはできません。特に活動初期は営業ノウハウや人脈が不足しているため、収入がゼロになってしまう可能性もあります。

安定的な収入がない状態でも生活を維持できるよう、資金計画や本業との両立など柔軟な対策を講じておく必要があります。短期間での結果を求めるのではなく、中長期的な視点での準備が重要です。

高い自己管理能力が求められる

自由な働き方の裏では、高い自己管理能力が求められます。スケジュールの立案から営業計画、顧客対応、契約手続きに至るまでをすべて自身でこなさなければならず、仕事量の見積もりやタスクの優先順位を誤ると成果に影響します。

特に、仕事とプライベートの境目が曖昧になりやすいため、時間管理やメンタルコントロールを含めた総合的なセルフマネジメントが不可欠です。

成功のためには営業力・集客力が必要

不動産エージェントは自ら顧客を獲得する必要があるため、営業力やマーケティングスキルが必須です。知名度がないうちは信頼性の証明や実績の提示が難しく、問い合わせにつながらないことも珍しくありません。

また、売主・買主の双方に対応するには、不動産知識に加えて交渉力や信頼構築力も求められます。こうしたスキルを継続的に磨き続ける意欲がなければ、安定的な成果を出すのは難しいでしょう。

不動産エージェントについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。
【2025年版】不動産エージェントサービスを徹底比較！選び方のポイントやメリット・デメリットも解説

不動産エージェントと違法行為（名義貸し・ブローカー・地面師）の違い

先述のとおり、不動産エージェントは自由度の高さと高収入が実現できる点から注目を集めている働き方です。しかし、比較的新しい働き方であるため「違法ではないか」といった不安の声もあります。

特に、不動産業界では名義貸しや無免許ブローカー、地面師などの違法行為が過去に多数存在しており、不動産エージェントとの違いが分かりづらいと感じる方も多いでしょう。

そこで以下では、これらの違法行為と不動産エージェントの働き方がどう異なるのかまとめました。

比較項目	不動産 エージェント	名義貸し	不動産ブローカー	地面師
法的な位置付け	合法（宅建業免許を持つ会社のもとで活動）	違法（宅建業法により明確に禁止）	違法（無免許で仲介行為を行う）	違法（詐欺行為として刑事罰の対象）
所属・資格要件	免許業者に業務委託契約で所属	他人の免許を借りて営業	無資格の個人が中心	偽装された身元・無資格で活動
業務の透明性	高い（契約書や報酬が明確）	低い（契約主体や責任が不透明）	低い（報酬体系や責任範囲が曖昧）	なし（偽造書類による不正行為）
活動の目的	顧客の利益に沿った取引支援	免許の不正利用による収益獲得	紹介料・バックマージンによる収入	不動産を悪用した詐欺的利益の獲得
顧客サポート	法務チェック・取引管理体制あり	監督不在で保護体制がない	責任の所在が曖昧でトラブルが多い	被害リスクが非常に高く保護なし

それぞれについて、下記で詳しく見ていきましょう。

不動産業界で違法とされる名義貸しと不動産エージェントの違い

	不動産エージェント	名義貸し
法的な位置付け	合法（不動産免許を持つ会社に所属）	違法（宅建業法で明確に禁止）
所属・資格要件	正規の免許事業者に業務委託	他人の名義を借りて営業
業務の透明性	高い（契約・報酬が明確）	低い（契約の主体が不明確）
活動の目的	顧客本位の提案とサポート	免許を使って違法に営業すること
顧客サポート	法務部門による監督体制あり	サポート体制が存在しない

名義貸しとは、宅建業の免許を持つ事業者が、その名義を他人に貸して不動産取引を行わせる行為のことです。これは宅地建物取引業法により明確に禁止されており、継続的かつ反復的な貸与はもちろん、一時的であっても違法と判断されます。名義貸しでは免許のない者が顧客対応を行うため、契約の不備や料金トラブルが発生しやすいのが特徴です。

一方で不動産エージェントは、宅建業免許を持つ企業に所属し、その監督のもとで正規に活動します。適切な契約管理や法令遵守の体制が整っているため、名義貸しとは明確に区別される合法的な働き方です。

不動産業界で違法とされるブローカーと不動産エージェントの違い

	不動産エージェント	不動産ブローカー
法的な位置付け	合法（宅建業者の管理下で活動）	違法（無免許での仲介行為）
所属・資格要件	宅建業免許を持つ法人に所属	無資格の個人が中心
業務の透明性	高い（報酬体系・契約が明確）	低い（契約・報酬が不透明）
活動の目的	依頼主の利益を第一に行動	紹介料・報酬目的での仲介
顧客サポート	社内監査・法的監督あり	サポート責任が存在しない

不動産ブローカーとは、宅建業の免許を取得せずに不動産の売買や賃貸を仲介し、紹介料や成功報酬を得る人物を指します。特に個人で活動しているブローカーの中には、契約の主体をあいまいにしたり、顧客に不利益な条件を提示するなど、違法な行為に及ぶケースが少なくありません。こうした行為は宅建業法に違反するため、業界でも問題視されています。

一方で不動産エージェントは免許を有する不動産会社の指導下で活動しており、契約や報酬の取り扱いも法令に基づいて明示されます。無資格のブローカーとは異なり、法律に則った透明なサービス提供が基本です。

不動産業界で違法とされる地面師と不動産エージェントの違い

	不動産エージェント	地面師
法的な位置付け	合法（宅建業法に則った活動）	違法（詐欺行為として刑事罰対象）
所属・資格要件	正規の不動産会社に所属	偽装された身元・無資格
業務の透明性	高い（契約・書類が正規）	存在しない（偽造書類を使用）
活動の目的	顧客の信頼獲得と取引成功	不正な利益の詐取
顧客サポート	社内での法務・審査体制あり	保護はなく重大な被害リスクがある

地面師は、他人になりすまして土地や建物を不正に売買し、不正利益を得る詐欺集団を指します。偽造された本人確認書類や登記簿、実在しない所有者情報を使って不動産を売却しようとする手口は、過去にも大規模な事件として報道されています。こうした地面師の行為は明らかな違法行為であり、刑事罰の対象となる重大な犯罪です。

一方の不動産エージェントは、実在する物件の取引を法的手続きに則ってサポートする正規の立場にあります。詐欺的な手法や書類偽造とは一切無縁であり、業務のすべてにおいて法的整合性と顧客保護が徹底されています。

不動産エージェントに違法性がない理由

不動産エージェントは、宅建業免許を持つ事業者に業務委託契約という形で所属し、その監督のもとで合法的に不動産仲介業務を行います。

重要事項説明や契約書類の確認などは、会社側のダブルチェック体制や法務監修を経て進められるため、違法な取引が起きにくい仕組みになっています。また、報酬体系や業務範囲についても明文化されており、免許を持たない個人ブローカーのように不透明な報酬を受け取ることもありません。

先述した名義貸しやブローカー、地面師といった違法行為と比べ、不動産エージェントは法的リスクがきわめて低く、安全性の高い働き方といえます。

不動産エージェントの違法性と合法性の境界線

不動産エージェントという働き方は、宅建業免許を持つ会社に所属して業務委託で活動する合法的な形態です。先ほど紹介したように、名義貸しや無免許ブローカー、地面師といった違法行為とは明確に異なります。

しかし、「業務委託＝自由」だからこそ、仕組みを理解せずに行動した場合、知らず識らずのうちに違法性が問われるケースもゼロではありません。

そこで以下では、不動産エージェントが違法とされる代表的な例や、合法的に活動するための条件、副業や未経験での参入時に注意すべきポイントについて解説します。

不動産エージェントが違法とされるケース

本来は合法である不動産エージェントの働き方ですが、条件を満たさないまま活動した場合には違法とみなされることがあります。たとえば、無資格の個人が宅建業者を通さずに契約締結や重要事項説明などを行った場合、宅建業法違反となる可能性があるため注意が必要です。

また、形式的に宅建業者に所属していても、実態として業務の監督がされておらず、名義貸しに近い状態であると判断されれば、業者側も行政処分の対象になり得ます。こうした違法ケースは、報酬のやり取りや契約の主体があいまいな状態で発生することが多く、特に副業やフリーランスの新規参入者は注意が必要です。

合法となる条件と適切な働き方

不動産エージェントとして合法的に活動するには、以下のような条件を満たす必要があります。

1. 宅建業免許を持つ不動産会社に正式に業務委託契約を結んで所属していること
2. 契約書や重要事項説明など、法的に義務づけられている業務を会社側の監督・管理体制のもとで行っていること
3. 報酬の受け取り方法や営業活動の範囲が、宅建業法に則って明確に設計されていること

 
適切な運営がなされていれば、たとえ完全歩合制で働いていたとしても違法とはされません。

副業や未経験でも合法的に始められるのか？

結論から言えば、不動産エージェントは副業や未経験からでも合法的に始めることが可能です。重要なのは、宅建業免許を持つ事業者に所属し、その管理のもとで業務を遂行することです。たとえ宅建士の資格を持っていなくても、社内に宅建士が在籍し、重要事項説明や契約書類の最終チェックを会社側が担う体制があれば問題ありません。

ただし、副業として始める場合は、所属企業の副業規定や就業規則に反しないかの確認が必要です。また未経験者の場合は法律や取引実務の理解不足がトラブルの引き金になりやすいため、研修制度が整ったエージェント支援サービスの活用が推奨されます。

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また、重要事項説明書の作成から契約書の確認まで、すべての業務プロセスにおいてダブルチェック体制を徹底。取引書類の管理システムや顧客対応履歴の徹底管理を行い、より多くの取引をスムーズかつ安全に進めることに努めています。これにより、初心者でも安心して実務に取り組むことができます。

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業界最高水準の報酬還元率を採用しており「プロエージェント」は取引の利益から最大90%を報酬として受け取れる点も強みです。また、未経験者や副業からスタートする方向けの「タレントエージェント」でも最大40％が受け取れます。

FINSTAR AGENTであれば、法令を遵守しながらも最大限の成果を目指すプロフェッショナルな働き方が可能です。

不動産エージェントと違法行為に関するよくある質問

不動産エージェントは、名義貸しやブローカー、地面師といった違法行為と比べて法的リスクの低い安全な働き方です。しかし、まだ疑問や不安が残っているという方もいるかもしれません。

そこで以下では、不動産エージェントと違法行為に関するよくある質問についてQ&A形式でまとめました。

副業で不動産エージェントとして働くのは違法ですか？

副業で不動産エージェントとして活動すること自体は違法ではありません。

ただし、報酬を得て不動産の仲介や取引に関わる場合は、必ず宅建業の免許を持つ法人に所属し、その法人を通じて業務を行う必要があります。無許可で仲介行為を行うと宅建業法違反に該当するおそれがあります。

また、会社員として勤務している場合、副業が社内規定に抵触する可能性もあるため、あらかじめ就業規則の確認が必要です。

営業未経験者が不動産エージェントとして働くのは違法ですか？

営業経験の有無と違法性は無関係です。不動産エージェントは、宅建業免許を持つ企業のもとで正規に業務を行っていれば、未経験者でも合法で活動できます。実際、未経験からスタートし、実務を通じてスキルを身につけていく人も多くいます。

ただし、契約内容や法的手続きを誤るとトラブルにつながる可能性があるため、教育体制やサポートが充実した会社を選ぶことが重要です。

宅建士の資格がない不動産エージェントは違法になりますか？

宅地建物取引士（宅建士）の資格を持っていないこと自体は違法ではありません。

ただし、契約書への記名押印や重要事項説明など、一部の業務は宅建士の独占業務となっています。資格を持たない場合は、それらの業務は社内の宅建士に委ねる形となり、自身が行うことはできません。

つまり、宅建士でなくてもエージェントとして活動は可能ですが、業務の範囲は制限されるという点に留意が必要です。

個人で不動産を紹介し、紹介料をもらうのは違法ですか？

個人が宅建業免許を持たずに物件や顧客を紹介して報酬を受け取ることは、宅建業法違反となる可能性が高く、いわゆる「無免許ブローカー」に該当するおそれがあります。報酬の発生有無に関わらず、継続的・反復的に不動産取引に関与する場合は免許が必要なため注意が必要です。

合法的に報酬を得るには、正規の不動産会社と業務委託契約を結び、その会社を通して報酬を得る形式が必要です。

不動産エージェントが「稼げない」「怪しい」と言われるのはなぜですか？

不動産エージェントという働き方はまだ新しく、従来の雇用型営業職とは異なるため、「怪しい」「よく分からない」といった誤解を受けやすい傾向があります。特に完全歩合制で報酬が成果に直結する仕組みは安定性に不安を感じさせ、「稼げない」という印象につながりがちです。

しかし、制度を正しく理解し、信頼性の高い企業と提携すれば、安定した成果を上げることは十分に可能です。

エージェント活動中に違法行為とみなされるリスクはありますか？

正規の不動産会社と契約を交わし、法令や業界ルールを順守して活動していれば、違法行為とみなされることは基本的にありません。ただし、名義貸しや無許可仲介、虚偽の説明などを行った場合は、法令違反に該当するリスクがあります。

契約内容をしっかり理解し、コンプライアンス研修やサポート体制のある会社と提携することが、違法リスクの回避につながります。

まとめ

不動産エージェントは、顧客の立場に立った提案と中立的な取引支援を行う、新しいスタイルの不動産営業です。従来の名義貸しや無許可ブローカーといった違法行為とは一線を画し、法令遵守や契約の透明性が重視されることから、安心して取り組める働き方として注目を集めています。

中でも「FINSTAR AGENT」のような信頼性の高いエージェント支援サービスを活用することで、未経験からでも安全かつ効率的に不動産取引に携わることが可能です。

不動産業界で自由度の高い働き方を目指したい方、もう少し詳しく知りたいという方は、ぜひ説明会に参加してみてください。